学校の課題やテストで「論述しなさい」と言われると、何をどの順番で書けばいいのか迷ってしまうことがありますよね。
作文や感想文なら書けるのに、論述となると急に難しく感じる人も多いのではないでしょうか。
論述は、思いついたことを自由に書く文章ではありません。大切なのは、テーマや問いに対して、考えや読み取った内容を筋道立てて説明することです。
つまり、論述には書き方の「型」があります。型を知っておくと、何から書けばよいか迷いにくくなり、読み手にも伝わりやすい文章になります。
この記事では、論述の意味や作文との違い、基本構成、書き方の手順、例文、伝わりやすい文章にするポイントまでわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 論述とはどのような文章なのか
- 作文・感想文・小論文との違い
- 論述文の基本構成
- 初心者でも書きやすい5つの手順
- 伝わりやすい文章にするコツ
論述とは?まず押さえたい意味と基本ルール

論述とは、あるテーマや問いについて、自分の考えや読み取った内容を筋道立てて説明する文章です。
ただ「私はこう思います」と書くだけではなく、なぜそう考えるのか、どの部分からそう読み取れるのかを示すことが大切です。
まずは、論述の基本的な意味とルールを確認していきましょう。
論述は「自分の考えを理由と根拠で説明する文章」
論述では、自分の考えを書く場合もあれば、資料や本文から読み取った内容をもとに説明する場合もあります。
どちらの場合も大切なのは、思いついたことをそのまま書くのではなく、理由や根拠を示しながら筋道立てて述べることです。
たとえば、「読書は大切だと思います」だけでは、論述としては少し弱い文章です。
論述らしくするなら、次のように理由を加えます。
例
私は、読書は大切だと考える。なぜなら、本を読むことで知らなかった言葉や考え方にふれることができ、表現力や理解力を広げられるからである。
このように、主張・理由・根拠をそろえると、読み手に伝わりやすい文章になります。
論述で大切なのは感想よりも筋道の通った説明
論述では、自分の気持ちを書くこと自体が悪いわけではありません。
ただし、感想だけで終わってしまうと、読み手は「なぜそう思ったのか」がわかりにくくなります。
感想に近い例
部活動は楽しいので大切だと思います。
論述に近い例
部活動には大切な意義があると考える。なぜなら、仲間と協力して目標に向かう経験を通して、責任感や協調性を身につけられるからである。
論述では、「楽しい」「よかった」「すごい」といった気持ちだけでなく、理由を言葉で説明する力が求められます。
学校の課題やテストでは設問の条件確認が大切
学校の課題やテストで論述を書くときは、設問をよく読むことが大切です。
なぜなら、論述は「自分の意見を書けばよい」というだけではなく、聞かれていることに正しく答える必要があるからです。
設問で確認したいこと
- 自分の考えを理由とともに書くのか
- 本文や資料の内容をふまえる必要があるのか
- 賛成・反対など立場を明らかにするのか
- 具体例を入れる必要があるのか
- 文字数や語尾の指定があるのか
設問の条件を見落とすと、内容がよくても評価されにくくなる場合があります。
書き始める前に、何を求められているのかを確認しておきましょう。
論述と作文・感想文・小論文の違いをわかりやすく比較

論述が難しく感じる理由のひとつに、作文や感想文との違いがわかりにくいことがあります。
それぞれの文章には目的があり、書き方も少しずつ違います。
ここでは、論述と混同しやすい作文・感想文・小論文との違いを整理します。
| 文章の種類 | 中心になる内容 | 書き方の特徴 |
|---|---|---|
| 作文 | 体験や出来事 | 自分の経験をもとに書くことが多い |
| 感想文 | 感じたことや印象 | 本や出来事への感想を中心に書く |
| 小論文 | テーマに対する意見 | 自分の意見を理由や根拠とともに述べる |
| 論述 | 問いに対する説明や答え | 理由や根拠を示しながら筋道立てて説明する |
作文は体験や出来事を中心に書く文章
作文は、自分が体験したことや見たこと、感じたことを中心に書く文章です。
運動会、遠足、家族との出来事、夏休みの思い出などをテーマにすることが多いでしょう。
作文では、出来事の順番やそのときの気持ちをわかりやすく書くことが大切です。
一方で、論述は出来事の紹介だけではなく、そこから自分の考えを示し、理由を説明する必要があります。
感想文は感じたことや印象を中心に書く文章
感想文は、本や映画、体験などに対して、自分が感じたことや考えたことを書く文章です。
読書感想文では、「心に残った場面」「登場人物に共感した理由」「読んだ後に考えたこと」などを書くことが多いです。
ただし、論述の場合は、感想だけで終わらせず、そこから一歩進めて理由や根拠を示します。
「私はこう感じた」だけではなく、「なぜそう感じたのか」「どの部分からそう考えたのか」まで書くと、論述に近づきます。
小論文は社会的なテーマに対して意見を述べる文章
小論文は、与えられたテーマについて、自分の意見を理由や根拠とともに述べる文章です。
社会問題がテーマになることもありますが、学校生活や身近な課題、将来の進路に関する内容が出されることもあります。
そのため、小論文と論述は似ている部分があります。
どちらも、自分の考えをはっきり示し、その理由を筋道立てて説明することが大切です。
論述は問いに対して根拠を示しながら答える文章
論述は、出された問いに対して、自分の考えや答えを根拠とともに説明する文章です。
学校の国語、社会、理科などでも使われることがあります。
たとえば、「筆者の考えについてあなたはどう考えるか」「この出来事が社会に与えた影響を説明しなさい」といった問いです。
このような場合、思いついたことを自由に書くのではなく、設問の内容に沿って答えることが大切です。
論述では、問いに答えることと根拠を示すことの両方を意識しましょう。
違いを迷ったときは「理由と根拠があるか」で判断する
作文、感想文、論述の違いで迷ったときは、「理由と根拠があるか」を確認するとわかりやすいです。
迷ったときの見分け方
- 出来事や体験が中心なら作文に近い
- 感じたことや印象が中心なら感想文に近い
- 主張・理由・根拠がそろっていれば論述に近い
論述を書くときは、「私はこう考える」で終わらせず、「なぜなら」と続けられるかを確認してみてください。
論述文の基本構成は「序論・本論・結論」で考える

論述文を書くときは、いきなり本文を書き始めるよりも、先に構成を決めておくと書きやすくなります。
基本は、序論・本論・結論の三段構成です。
この型を覚えておくと、文章の流れが整理され、読み手にも伝わりやすくなります。
論述文の基本構成
- 序論:自分の主張を示す
- 本論:理由や具体例を説明する
- 結論:もう一度主張をまとめる
序論では自分の主張をはっきり示す
序論は、文章の最初にあたる部分です。
ここでは、自分が何を主張したいのかをはっきり書きます。
たとえば、デジタル教科書について書くなら、最初に賛成なのか、反対なのか、または条件付きで賛成なのかを示します。
序論の例
私は、デジタル教科書の導入に賛成である。
最初に結論を示すことで、読み手は「この文章は何について説明するのか」を理解しやすくなります。
本論では理由と具体例を使って説明する
本論は、論述文の中心になる部分です。
序論で示した主張について、なぜそう考えるのかを説明します。
理由だけでは弱く感じる場合は、具体例を入れると説得力が出ます。
本論の例
理由は、デジタル教科書を使うことで、動画や音声を通して内容を理解しやすくなるからである。たとえば、英語の学習では、文字だけでなく発音を聞きながら学ぶことで、より実際の使い方をイメージしやすくなる。
本論では、主張と関係のない話に広がりすぎないように注意しましょう。
結論では主張をもう一度まとめる
結論では、文章全体のまとめとして、自分の主張をもう一度書きます。
ただし、序論とまったく同じ文を繰り返すだけではなく、本論で説明した内容をふまえてまとめると自然です。
結論の例
このように、デジタル教科書は学習内容をわかりやすくする助けになる。したがって、私はデジタル教科書の導入に賛成である。
結論があることで、文章がきれいに締まり、読み手に主張が残りやすくなります。
文字数に合わせた配分の目安
論述文は、文字数に合わせてバランスよく書くことも大切です。
目安としては、次のような配分を意識すると書きやすいです。
| 構成 | 役割 | 配分の目安 |
|---|---|---|
| 序論 | 主張を書く | 全体の15〜20%程度 |
| 本論 | 理由や具体例を書く | 全体の60〜70%程度 |
| 結論 | 主張をまとめる | 全体の10〜15%程度 |
文字数が少ない場合は、理由を1つにしぼると書きやすくなります。
文字数が多い場合は、理由を2つにしたり、具体例を少し詳しくしたりすると、内容に厚みが出ます。
初心者でも迷いにくい論述の書き方5ステップ

論述が苦手な人は、最初からきれいな文章を書こうとしすぎてしまうことがあります。
しかし、論述は順番に考えれば書きやすくなります。
ここでは、初心者でも迷いにくい5つのステップで説明します。
論述を書く流れ
- 設問を確認する
- 結論を決める
- 理由を書き出す
- 具体例や根拠を加える
- 最後に見直す
1. 設問で聞かれていることを確認する
まずは、設問をよく読みましょう。
論述では、聞かれていることに正しく答えることが大切です。
たとえば、「賛成か反対かを書きなさい」とあるのに、よい点と悪い点を並べるだけで終わると、答えがはっきりしません。
設問を読むときは、次の点を確認しましょう。
- 何について書くのか
- 自分の意見が必要なのか
- 理由や具体例が必要なのか
- 資料や本文を使う必要があるのか
- 文字数の指定があるか
書く前に条件を確認しておくと、内容のずれを防ぎやすくなります。
2. 自分の立場や結論を決める
次に、自分の立場や結論を決めます。
論述では、「どちらとも言えない」と感じるテーマもあるかもしれません。
その場合でも、文章の中では自分の考えが伝わるように整理する必要があります。
立場の決め方の例
- 賛成である
- 反対である
- 条件が整えば賛成である
- 一部は賛成だが、注意も必要である
迷ったときは、理由を説明しやすい立場を選ぶのもひとつの方法です。
3. 理由を2つほど書き出す
結論が決まったら、理由を書き出します。
理由は1つでも書けますが、文字数に余裕がある場合は2つあると文章に広がりが出ます。
たとえば、「部活動には意義がある」という主張なら、次のような理由が考えられます。
- 仲間と協力する力が身につくから
- 目標に向かって努力する経験ができるから
理由を書き出す段階では、まだきれいな文章にしなくても大丈夫です。
まずはメモのように短く書き出し、あとから文章に整えていきましょう。
4. 具体例や根拠を加える
理由だけでは、少し抽象的に感じることがあります。
そこで、具体例や根拠を加えると、読み手に伝わりやすくなります。
具体例の入れ方
たとえば、試合に向けて練習内容を話し合ったり、うまくいかない仲間を励ましたりする場面がある。このような経験を通して、自分だけでなく周りのことを考えて行動する力が育つ。
具体例は、自分の経験、学校生活、身近なニュース、授業で学んだ内容などから選ぶと書きやすいです。
5. 最後に文章の流れを見直す
文章を書き終えたら、必ず見直しをしましょう。
論述では、誤字脱字だけでなく、主張と理由がつながっているかも確認することが大切です。
見直しチェックリスト
- 設問に答えているか
- 最初に結論が書かれているか
- 理由と具体例がつながっているか
- 一文が長すぎないか
- 話し言葉になっていないか
- 語尾がそろっているか
時間が少ないときでも、最後の1〜2分で読み直すだけで、わかりにくい表現に気づけることがあります。
説得力のある論述にするための根拠の選び方

論述で説得力を出すためには、理由だけでなく根拠の選び方も大切です。
根拠とは、自分の主張を支える材料のことです。
根拠があると、読み手は「なるほど、だからそう考えるのか」と納得しやすくなります。
自分の経験を具体例として使う
もっとも書きやすい根拠のひとつが、自分の経験です。
学校生活、習い事、友達との関わり、家庭での出来事などは、具体例として使いやすいです。
たとえば、部活動について書く場合、自分が練習で努力した経験や、仲間と協力した経験を入れることができます。
ただし、自分の経験を書くときは、ただの思い出話にならないように注意しましょう。
経験を書いたあとに、「この経験から何が言えるのか」を説明すると、論述としてまとまりやすくなります。
学校生活や身近な社会の例を使う
自分の経験だけでなく、学校生活や身近な社会の例を使う方法もあります。
- 学校での係活動
- クラスでの話し合い
- 地域の清掃活動
- 交通ルールやマナー
- スマートフォンやインターネットの使い方
身近な例を使うと、読み手にもイメージが伝わりやすくなります。
難しいテーマでも、学校生活や日常の場面に置き換えて考えると、理由や具体例を見つけやすくなります。
データや事実を使うときは出典や条件に注意する
データや事実を使うと、文章に説得力が出ることがあります。
たとえば、「調査によると」「資料では」などの情報を使う場合です。
ただし、データを使うときは、出典や条件に注意が必要です。
どこからの情報なのか、どの時期の情報なのかがあいまいなまま書くと、読み手に不安を与える場合があります。
注意したいポイント
インターネットで見た情報を使う場合は、内容が正しいか、古すぎないか、出典がはっきりしているかを確認しましょう。学校の課題で資料が配られている場合は、その資料の内容をもとに書くと安心です。
反対意見にふれると考えの深さが伝わりやすい
論述では、反対意見に少しふれると、考えの深さが伝わりやすくなることがあります。
たとえば、デジタル教科書に賛成する文章を書く場合でも、「画面を見る時間が長くなる心配もある」といった注意点にふれることができます。
そのうえで、「しかし、使う時間や方法を工夫すれば、学習を助ける道具として活用できる」と続けると、バランスのよい文章になります。
反対意見にふれるときは、相手の考えを否定しすぎず、自分の主張につなげることを意識しましょう。
根拠が弱いときに避けたい書き方
根拠が弱い文章は、読み手に伝わりにくくなります。
特に、次のような書き方には注意が必要です。
避けたい書き方
- 「みんながそう言っている」と書く
- 「なんとなくそう思う」と書く
- 「絶対に」「必ず」など強すぎる表現を使いすぎる
- 理由がないまま結論だけを書く
- 関係のない体験談を長く書く
論述では、強い言葉を使うよりも、理由と根拠をていねいに示すことが大切です。
すぐに参考にできる論述文の例文と書き方のポイント

ここからは、論述文の例文を紹介します。
例文を見ると、主張・理由・具体例・結論の流れがイメージしやすくなります。
ただし、課題やテストで使う場合は、例文をそのまま写すのではなく、自分の考えや言葉に置き換えて書くことが大切です。
例文1:部活動にはどのような意義があるか
例文
私は、部活動には仲間と協力する力を育てる意義があると考える。
理由は、部活動では一人だけでなく、仲間と同じ目標に向かって努力する場面が多いからである。たとえば、試合や発表会に向けて練習するときには、自分のことだけでなく、チーム全体のことを考えて行動する必要がある。うまくいかない人がいれば声をかけたり、役割を分担したりすることもある。
このような経験は、授業だけでは学びにくい協力の大切さを知る機会になる。したがって、部活動には仲間と協力する力を育てるという意義があると考える。
この例文では、最初に「部活動には意義がある」という主張を示しています。
そのあとで、仲間と協力する場面を具体例として入れているため、理由が伝わりやすくなっています。
例文2:デジタル教科書の導入についてどう考えるか
例文
私は、デジタル教科書の導入に賛成である。
なぜなら、デジタル教科書を使うことで、学習内容をより理解しやすくなると考えるからである。たとえば、理科では実験の様子を動画で確認できたり、英語では音声を聞きながら発音を学べたりする。文字だけではわかりにくい内容も、映像や音声があることでイメージしやすくなる。
一方で、長時間画面を見ることへの注意も必要である。そのため、使う時間や場面を決めながら活用することが大切だと考える。このように、使い方に気をつければ、デジタル教科書は学習を助ける道具になる。したがって、私はデジタル教科書の導入に賛成である。
この例文では、賛成の立場を示したうえで、反対意見や注意点にもふれています。
反対意見を少し入れることで、一方的な文章になりにくく、考えの深さが伝わりやすくなります。
例文3:学校に制服は必要か
例文
私は、学校に制服は必要だと考える。
理由は、毎日の服装に迷う時間を減らし、学校生活に気持ちを切り替えやすくなるからである。私服の場合、何を着るかで悩んだり、周りとの違いを気にしたりすることがある。しかし、制服があれば、登校するときの服装が決まっているため、余計な心配を減らすことができる。
もちろん、制服には暑さや寒さに合わせにくい面もある。そのため、季節や体調に合わせて上着やシャツを選べるようにするなど、工夫は必要である。制服のよさを生かしながら、着やすさにも配慮することで、より過ごしやすい学校生活につながると考える。
この例文では、「制服は必要」という主張を示しながら、制服の不便な点にもふれています。
ただ賛成・反対を言い切るだけでなく、改善点を入れると、より現実的な文章になります。
例文を丸写しせず自分の言葉に直すコツ
例文は、書き方の流れを学ぶための参考として使うのがおすすめです。
そのまま写すのではなく、次のように自分の言葉に直してみましょう。
- 自分の立場に合うように主張を変える
- 自分の経験に合う具体例に変える
- 学校で使っている言葉や習った表現に合わせる
- 難しい言葉を無理に使わず、伝わりやすい表現にする
まずは短い文章から練習してみよう
例文を見ながら、「結論」「理由」「具体例」「まとめ」の順番に当てはめてみると、論述の形をつかみやすくなります。
論述では、上手に見せることよりも、自分の考えが読み手に伝わることが大切です。
論述で評価されやすい文章にするコツ

論述で評価されやすい文章にするには、難しい言葉をたくさん使う必要はありません。
大切なのは、読み手が迷わず理解できるように、結論・理由・具体例を整理して書くことです。
ここでは、論述を書くときに意識したいコツを紹介します。
結論をあいまいにせず最初に示す
論述では、最初に結論を示すと読みやすくなります。
「私は賛成である」「私は必要だと考える」「私は次の理由から反対である」のように、立場をはっきり書きましょう。
あいまいな例
制服にはよいところも悪いところもあると思います。
伝わりやすい例
私は、学校に制服は必要だと考える。
最初に結論を書くことで、その後の理由や具体例も組み立てやすくなります。
理由と具体例をセットで書く
論述では、理由と具体例をセットで書くと説得力が増します。
理由だけでは抽象的になりやすく、具体例だけでは何を言いたいのか伝わりにくくなります。
書き方の流れ
主張 → 理由 → 具体例 → まとめ
たとえば、「読書は大切だ」と書くなら、「言葉を増やせるから」という理由に加えて、「知らなかった表現を覚え、作文や会話で使えるようになる」といった具体例を入れると伝わりやすくなります。
一文を短めにして読みやすくする
論述を書いていると、一文が長くなりすぎることがあります。
一文が長いと、主語と述語の関係がわかりにくくなり、読み手が内容を追いにくくなります。
目安として、ひとつの文にはひとつの内容を入れるようにしましょう。
長くて読みにくい例
私は読書が大切だと思っていて、なぜなら本を読むと知らない言葉を覚えられて、さらに文章を書くときにも役立つし、いろいろな人の考えを知ることもできるからです。
読みやすい例
私は、読書は大切だと考える。理由は、本を読むことで知らない言葉を覚えられるからである。また、さまざまな人の考えにふれることで、自分の考えを広げることもできる。
文章を短く区切るだけで、読みやすさは大きく変わります。
「思います」だけに頼らない表現を使う
論述では、「思います」を何度も使うと、少し幼い印象になったり、主張が弱く見えたりすることがあります。
もちろん、使ってはいけないわけではありません。
ただ、同じ表現が続く場合は、別の言い方に変えると文章が整います。
| よくある表現 | 言い換え例 |
|---|---|
| 私は〜だと思います | 私は〜だと考える |
| 〜だと思ったからです | 〜だと考えたからである |
| 〜がいいと思います | 〜が望ましいと考える |
文章全体の調子に合わせて、「です・ます調」か「だ・である調」のどちらかにそろえることも大切です。
設問の言葉を使って答えからずれないようにする
論述でよくある失敗が、書いているうちに設問からずれてしまうことです。
それを防ぐには、設問の言葉を本文の中に入れる方法があります。
たとえば、「部活動にはどのような意義があるか」という設問なら、本文でも「部活動の意義は〜である」と書くと、答えがずれにくくなります。
設問の言葉を使うことで、読み手にも「きちんと問いに答えている」と伝わりやすくなります。
論述で減点されやすい注意点と家庭でできるサポート

論述は、内容だけでなく、表現や文章の整え方も大切です。
せっかくよい考えがあっても、書き方で読みづらくなってしまうと、伝わりにくくなります。
ここでは、減点されやすい注意点と、家庭でできるサポートのコツを紹介します。
話し言葉やくだけた表現を使っていないか確認する
論述では、話し言葉やくだけた表現は避けたほうがよい場合が多いです。
たとえば、次のような表現には注意しましょう。
- すごく
- めっちゃ
- やっぱり
- 〜じゃないかな
- 〜みたいな感じ
| 話し言葉に近い表現 | 論述で使いやすい表現 |
|---|---|
| すごく大切 | 非常に大切 |
| やっぱり必要 | やはり必要 |
| いいと思う | よいと考える |
論述では、少し落ち着いた表現に直すと文章が整います。
文章の語尾がそろっているか確認する
論述文では、語尾をそろえることも大切です。
「です・ます調」と「だ・である調」が混ざると、文章全体の印象が乱れて見えることがあります。
語尾が混ざっている例
私は読書が大切だと考える。なぜなら、言葉を増やすことができるからです。
語尾をそろえた例
私は読書が大切だと考える。なぜなら、言葉を増やすことができるからである。
学校の指定がなければ、論述では「だ・である調」が使われることも多いです。
ただし、学年や課題によって指定がある場合は、その指示に合わせましょう。
主張と理由がつながっているか確認する
論述では、主張と理由のつながりがとても大切です。
主張は立派でも、理由がずれていると読み手に伝わりにくくなります。
たとえば、「学校に制服は必要だ」という主張に対して、「私は青色が好きだから」と書くと、理由としては弱くなります。
一方で、「毎日の服装に迷う時間を減らせるから」「学校生活への気持ちの切り替えがしやすいから」と書けば、主張と理由がつながります。
確認のコツ
見直すときは、主張のあとに「なぜなら」とつなげて自然に読めるか確認してみましょう。
保護者は「なぜそう思うの?」と聞いて考えを引き出す
家庭で論述の練習をするときは、保護者が答えを言いすぎないことも大切です。
子どもが「わからない」と言ったときは、すぐに正解を教えるのではなく、考えを引き出す質問をしてみましょう。
家庭で使いやすい声かけ
- なぜそう思ったの?
- たとえば、どんな場面がある?
- 反対の考えの人は、どんな理由を言いそう?
- 一番伝えたいことは何?
- その理由は、最初の考えとつながっているかな?
質問を通して考えを整理すると、子ども自身の言葉で文章を書きやすくなります。
学校や先生の指定がある場合は必ず優先する
論述の書き方には基本の型がありますが、学校や先生から指定がある場合は、その指示を優先しましょう。
たとえば、次のような指定があることがあります。
- 「です・ます調」で書く
- 「だ・である調」で書く
- 本文中の言葉を使う
- 資料から読み取れることを入れる
- 何文字以上、何文字以内で書く
基本の書き方を知っておくことは大切ですが、課題によって求められる形は変わることがあります。
大切なポイント
迷ったときは、配られたプリントや先生の説明を確認しましょう。学校ごとの指定がある場合は、一般的な書き方よりも指定を優先することが大切です。
まとめ

論述は、自分の考えや読み取った内容を、理由や根拠と一緒に説明する文章です。
作文や感想文と似ている部分もありますが、論述では「何を主張するのか」「なぜそう考えるのか」をはっきり書くことが大切です。
論述の基本構成
- 序論:自分の主張を示す
- 本論:理由や具体例を説明する
- 結論:もう一度主張をまとめる
この流れを意識すると、初心者でも論述文を書きやすくなります。
また、論述で評価されやすい文章にするためには、結論をあいまいにしないこと、理由と具体例をセットで書くこと、一文を短くして読みやすくすることがポイントです。
反対に、話し言葉を使いすぎたり、主張と理由がずれていたりすると、読み手に伝わりにくくなる場合があります。
今日からできる練習
まずは短いテーマで、「結論は何か」「理由は何か」「具体例はあるか」を確認しながら書いてみましょう。型に沿って練習することで、少しずつ筋道の通った文章に近づいていきます。
論述は、最初から完璧に書こうとしなくても大丈夫です。
型を知り、短い文章から練習していけば、考えを整理して伝える力は少しずつ身についていきます。

