海辺を歩いていると、岩場や砂浜で見かけることのあるヒトデ。
星のような形が印象的で、子どもから大人まで目を引く存在です。
けれども、いざ「ヒトデって何の仲間?」と聞かれると、
「魚?」「貝?」「虫?」と、はっきり答えられない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ヒトデが何類の動物なのかという基本から、
仲間の生きもの、食べ物、海での役割、触っても安全なのかまで、
生きものに詳しくない方でも安心して読めるよう、ていねいに解説します。
身近だけれど意外と知られていないヒトデの世界を、
ゆっくり一緒に見ていきましょう。
ヒトデは何類の動物?まず結論からやさしく解説

ヒトデは「棘皮動物(きょくひどうぶつ)」に分類される
結論からお伝えすると、ヒトデは「棘皮動物(きょくひどうぶつ)」という動物のグループに分類されます。
棘皮動物とは、体の表面にトゲ状の構造を持ち、
一生を海の中で過ごす無脊椎動物(背骨を持たない動物)の仲間です。
ヒトデは、魚類・両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類のどれにも当てはまりません。
また、昆虫や貝類とも異なる、独立した分類の動物です。
見た目のインパクトは強いですが、分類学的にはとてもはっきりした位置づけがあります。
ヒトデは魚じゃない?よくある勘違い
「海に住んでいる=魚の仲間」と思われがちですが、
ヒトデは魚ではありません。
魚には次のような特徴があります。
- 背骨がある
- エラで呼吸する
- ヒレを使って泳ぐ
一方、ヒトデには背骨がなく、
ヒレもエラも持っていません。
ヒトデは「管足(かんそく)」と呼ばれる小さな器官を使って、
海底をゆっくり移動する生きものです。
そのため、住んでいる場所が同じでも、
魚とはまったく違う動物だといえます。
ヒトデの仲間には何がいる?同じ棘皮動物の生きものたち
ヒトデと同じ分類に入る代表的な生きもの
棘皮動物には、ヒトデ以外にもさまざまな生きものがいます。
- ウニ
- ナマコ
- クモヒトデ
- ウミユリ
これらは見た目こそ大きく異なりますが、
体のつくりや発生のしかたなどが共通しているため、同じ分類にまとめられています。
棘皮動物に共通する特徴とは?
棘皮動物には、いくつかの共通した特徴があります。
- 体の表面が硬く、石灰質の構造を持つ
- 成体になると体が放射状の形になる
- 管足を使って移動や呼吸を行う
- 海の中でしか生きられない
ヒトデの五角形の形も、この「放射相称(ほうしゃそうしょう)」という特徴の一例です。
見た目が違っても同じ「何類」になる理由
動物の分類は、見た目の似ている・似ていないだけで決められているわけではありません。
体の内部構造、発生の過程、進化の系統など、
さまざまな科学的な視点から総合的に判断されています。
そのため、ウニとヒトデのように一見別の生きものに見えても、
共通点が多ければ同じグループとして扱われます。
棘皮動物が海にしかいないのはなぜ?
棘皮動物は、体内の水のバランスを保つ仕組みが、
海水の環境に強く依存しています。
淡水や陸上では体の機能を正常に保てないため、
すべての棘皮動物は海にのみ生息しています。
この点も、ヒトデが「完全な海の生きもの」である理由のひとつです。
ヒトデは何を食べて生きているの?
ヒトデの主な食べ物とは
ヒトデは基本的に肉食寄りの雑食性です。
主に次のようなものを食べて生きています。
- 貝類(アサリ・カキなど)
- ゴカイなどの小さな生きもの
- 弱った魚や死んだ生きもの
環境や種類によって食べるものは多少異なりますが、
海底で手に入る動物性のものを中心に食べています。
ヒトデの食べ方がすごい|胃を体の外に出すしくみ
ヒトデの食事方法は、ほかの動物と比べてもとても特徴的です。
ヒトデは、胃を体の外に出して消化するという、珍しい方法で食事をします。
獲物の上に覆いかぶさるようにして口を近づけ、
胃を反転させて外に出し、外側で消化を始めます。
ある程度消化が進んだあと、
栄養分を体の中に戻すという仕組みです。
かたい貝を食べられる理由
ヒトデは、かたい殻を持つ貝も食べることで知られています。
貝を無理やり割るわけではなく、
管足を使ってじわじわと力をかけ、貝をわずかに開かせます。
ほんの少しのすき間ができれば、
そこから胃を差し込み、貝の中身を消化することができます。
とても時間はかかりますが、
この方法によってヒトデは貝を捕食できるのです。
ヒトデは何でも食べる生きものなの?
ヒトデは雑食性ではありますが、
何でも無差別に食べるわけではありません。
動かないものや捕まえやすいものを中心に、
環境に合わせて食べ物を選んでいます。
この柔軟な食性が、
さまざまな海域で生きていける理由のひとつになっています。
ヒトデはなぜ海に多い?生息場所と自然界での役割
ヒトデが多く見られる場所
ヒトデは、世界中の海に広く分布している生きものです。
日本の海でも、さまざまな場所で見ることができます。
とくによく見られるのは、次のような場所です。
- 磯や岩場
- 潮だまり
- 砂浜近くの浅い海
- 沖合の海底
水族館で見かけるヒトデの多くは、
こうした沿岸部や浅瀬に生息する種類です。
一方で、数百メートル以上の深海に暮らすヒトデも存在しており、
実はとても幅広い環境に適応している生きものでもあります。
ヒトデが海の環境に適応している理由
ヒトデが海で暮らすのに適している理由のひとつが、
「管足(かんそく)」と呼ばれる特殊な器官です。
管足は、ヒトデの体の裏側に無数についている細い足のような部分で、
次のような役割を果たしています。
- 移動する
- 岩や貝に吸いつく
- 呼吸を助ける
この管足のおかげで、ヒトデは波のある場所でも流されにくく、
海底を安定して移動することができます。
また、体の構造自体が水圧に強いため、
浅瀬から深い海まで幅広く生息できるのです。
生態系の中でのヒトデの役割
ヒトデは、海の生態系の中で重要な役割を担っています。
とくに注目されているのが、
特定の生きものが増えすぎるのを防ぐ役割です。
たとえば、ヒトデが貝類を捕食することで、
貝が一部の場所で過剰に増え続けるのを防いでいます。
このように、ヒトデは「目立たないけれど欠かせない存在」として、
海のバランスを支えています。
ヒトデは本当に「海の掃除屋」?
ヒトデは、死んだ魚や弱った生きものを食べることもあるため、
「海の掃除屋」と呼ばれることがあります。
たしかに、海底に残った有機物を食べることで、
環境を清潔に保つ一面はあります。
ただし、ゴミや汚染物質を処理しているわけではなく、
あくまで自然の食物連鎖の一部として行動している生きものです。
そのため、「掃除屋」という表現は、
わかりやすく例えた呼び方だと考えるとよいでしょう。
ヒトデが増えすぎると起こること
ヒトデは生態系にとって大切な存在ですが、
異常に増えすぎると問題が起こることもあります。
とくに、養殖されている貝類が多く食べられてしまい、
漁業に影響が出るケースがあります。
このため、地域によってはヒトデの数を調整する取り組みが行われています。
自然界では「多すぎても、少なすぎても問題になる」存在であり、
バランスがとても重要だということがわかります。
ヒトデは危険?触っても大丈夫なの?
ヒトデに毒はあるの?
結論から言うと、
日本沿岸でよく見られるヒトデの多くには、強い毒はありません。
ただし、種類によっては体表に刺激物質を持っているものもあり、
人によってはかゆみや赤みが出ることがあります。
また、海外には毒を持つ種類も存在するため、
「すべてのヒトデが安全」とは言い切れません。
ヒトデを触るときに気をつけたいこと
ヒトデは見た目がやわらかそうに見えますが、
実際には体表がかたく、細かいトゲがあります。
そのため、触るときは次の点に注意しましょう。
- 強く握らない
- 長時間触らない
- 傷がある手では触らない
触ったあとは、必ず石けんで手を洗うことも大切です。
子どもが触っても大丈夫?
大人がそばで見守り、
短時間・やさしく触る程度であれば、基本的に問題はありません。
ただし、無理に持ち上げたり、
陸に長く置いたりするのは避けましょう。
ヒトデにとってもストレスになるため、
観察を中心に楽しむのがおすすめです。
浜辺でヒトデを見つけたときの正しい対応
浜辺や潮だまりで生きているヒトデを見つけた場合は、
できるだけ元の場所にそっと戻してあげるのが理想的です。
おみやげとして持ち帰ったり、
長時間バケツに入れておくのは避けましょう。
自然の中で出会った生きものは、
「そっと見守る」ことが一番の正解です。
ヒトデについてよくある質問Q&A
ヒトデは再生するって本当?
はい、本当です。
ヒトデは失った腕を再生する能力を持っています。
種類や条件にもよりますが、
腕だけでなく、体の一部から全身が再生する例も確認されています。
ヒトデの寿命はどれくらい?
ヒトデの寿命は種類によって異なりますが、
一般的には数年から10年以上生きるものもいます。
見た目からは想像しにくいですが、
意外と長生きな生きものです。
ヒトデは飼育できるの?
ヒトデの飼育は可能ですが、
一般家庭では難易度が高いとされています。
水質管理や水温調整が非常にシビアなため、
専門的な設備が必要になります。
まとめ|ヒトデは不思議で大切な海の生きもの
ヒトデは魚ではなく、
棘皮動物(きょくひどうぶつ)という分類に属する海の生きものです。
独特な体のつくりや食べ方を持ち、
海の生態系の中で重要な役割を果たしています。
見た目のかわいさだけでなく、
知れば知るほど奥深い魅力を持つ存在だといえるでしょう。
次に海や水族館でヒトデを見かけたときは、
ぜひこの記事で知ったことを思い出してみてください。

